トラックの交通事故の50%が追突事故!?これからも減らないその原因は?企業との関係性と背景
2016/06/02
トラックの事故原因の約50%が追突事故!?
これからも減らないその事故原因は?
企業との関係性と背景
実はトラックの交通事故の5割が
「追突事故」ということを知っていますか?
これからも減らないだろうと言われている
この「追突事故」の原因って…
目次
トラックの交通事故の割合は…
トラックの交通事故のランキングを
見たことがありますか?
交通事故の内訳で
「出会い頭の事故」や「右左折時の衝突」
よりダントツで多い事故が
「追突事故」です。
これは通常の乗用車を含めた
交通事故全体の件数と
トラックの事故のみで比較してみると
その割合は15~20%も多い数値になります。
現代の技術により、
事故防止の役割を持つトラックに搭載された
機能が働いているためか、
10年前に比べ事故件数は減ってきていますが、
50%の比率は不思議と変わらないのが
現状のようです。
追突事故の原因は過労?居眠り運転?
追突事故の大きな原因は
「過労」による
「居眠り運転」や「注意力散漫」が
原因で起こる追突事故がほとんどであると
見られています。
トラックドライバーの労働環境は
改善に向かっているとは言え、
まだまだ難しいことばかりです。
事故を起こさないよう
気の抜けない状態で運転をすることから
精神的な負担も大きく、
労働時間は深夜や早朝からと
不規則な生活環境になったり、
長時間労働の過労だったりと
要因は様々ですが、
だいたいこんなところです。
また、
トラックのドライバーの65%が
このようなことからヒヤリハットの
経験があると応えています。
※交通事故総合分析センター 参照
結果、数字だけみると…
統計から見ると、
トラックの「不具合が原因」で
起こる事故の割合は少ないです。
やはり、運転手の
「運転操作が起因して起こる事故」の
割合が高くなっています。
その背景にはトラックドライバー
ならではの労働環境が…
昔と比べて大きく変わった
運送業界の環境として挙げられる
「ドライバー不足」が
可能性のひとつとして考えられています。
トラックドライバーの
「過酷」「労働時間が長い」という
世間的なイメージが定着しているのが現状。
そんなイメージからか 人材が集まらず、
常にドライバーの人手不足で、
インターネットを開けば
誰でも好きなときに気軽に買い物など
できるようになった時代だからこそ
物流の量は増え続ける一方の
状況で更に忙しくなります。
また、仕事量のわりに
賃金が比例しないなどの事情も
企業によってはあるようです…
※全日本トラック協会 参照(平成19年)
少し古い資料になりますが、
上記はトラックドライバーをしている人達の
アンケート調査を行ったものです。
こういう現状が人材強化に取り組めない
現状なのかもしれません。
また、2012年に改正された
労働者派遣法により、
トラックドライバーの「日雇い」が
原則禁止になったことも影響しているようです。
「会社側の圧力」や「下請けいじめ」、
「物流量の増加」などの
いろいろな原因があり一概には言えませんが、
過酷な労働下の実情から事故に
繋がるケースも少ないありません。
※下請けいじめについてはこちら
その結果が追突事故の割合を
表しているのかもしれません。
「安全」を目指すべく
改善に向かっている労働環境へ
散々マイナスなことを記載していますが、
とはいえトラックドライバー、
もとい物流業界は日本のみならず、
世界中の業種をみても必要不可欠な職種です。
よく例えで使われていますが
「物流は日本経済に血液」と言われています。
この現状から改善すべく
全日本トラック協会が2009年から
死者数半減・交通事故数半減の目標を掲げ
「事業用自動車総合安全プラン2009」を
実行しています。
「言われたことに従う」力関係を
改善に向けて
この目標を達成するための動きとして
改善することは山ほどあったのですが、
一番大きなところは
「運行の現場を含めた関係者が
一丸となった行動、構造的な対処」として
対策が打たれたことです。
これは「物流会社やトラックドライバー
だけでの改善には限界がある」ということを
国や企業、世間に周知してもらい、
理解・協力を得られるよう働きかけています。
国もこれを理解した上で、国交省が
「適正運賃の収受」「荷主勧告制度」
をプランに明記し、
依頼主(お客様)と業者の
“言われたことに従う”といった力関係から
“法律に従った対応”へ行うように
求められています。
このような対策が立てられ、
依頼主の社会的な責任を問われることもあり、
対等な力関係で取引をできるように
労働基準監督署や中小企業庁、
公正取引委員会の動きも強化されています。
実際に労働時間が短くなったり、
有給の消化率向上や休日出勤の減少など
良い影響を与えているところもあります。
安全第一で業界全体の
体質強化・改善へ
依頼主にも協力を求めることで
業界全体の体質改善と
安全第一・事故減少に向けて
良い動きがたくさんありますね!
全日本トラック協会では
Gマークが推進されていたり、
※Gマークのメリットの詳細はこちら
もちろんその他の部分でも
2015年11月からは
「衝突事故軽減ブレーキの義務化」となり
トラック全車両に搭載することになりました。
これにより、追突時の被害も軽減され
死亡事故の減少が見込めます。
国内トラックのメーカーが企業努力を重ね
たくさんの安全機能も搭載されています。
※いろいろな安全機能についてはこちら
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いつの日にか事故を0にしつつ
健全な経営が当たり前で
若者がトラックドライバーになりたい!
という人が増える時代がくるのを
楽しみにしています!
以上、参考になれば幸いです。