【兄弟車って?】最近よく聞くOEMとは?メリット・デメリットをわかりやすく解説
2016/10/17
最近よく聞くOEMってなんだ?
OEM供給とか兄弟車とかって?
メリット・デメリットも含めて
わかりやすく解説していきます!
OEMとは、英語表記で
「Original Equipment Manufacturer」
日本語訳では「相手先商標製造業者」
これだけじゃ難しいので解りやすくしますと
そもそもOEMとは。。。
OEMとは
Original → 独自の
Equipment → 設備、備品、機器、用品
Manufacturer → 製造業者(大規模な)
単語にするとこのような意味になります。
現在「OEM」を意味する内容は
「他社製品を自社ブランドで販売する」という
意味で使われることが多いです。
OEM元、OEM先、OEM販売 等
「OEM○○」として話すことが多いのでは
ないでしょうか。
例
■自動車業界で例えると
他社にて開発・製造された車を
ほんのわずかな外観や内装を変えて、
エンブレムや名前を変えて販売している状態。
現在でいうと
「マツダ」の販売している「キャロル」は
「スズキ」が開発・製造・販売している
「アルト」のエンブレムや内装をわずかに
変えただけのほとんど同じ車です。
かなり似てますよね!?
これ皆様が
「アルトのOEM供給車がキャロル」
といった感じの言葉で使用します。
この関係からワゴンRとAZワゴンは
「兄弟車(姉妹車)」と言われる理由です。
OEMといっても幅があるので
例に上げた車は似ていますが、
外観をかなり変える場合や
自社製品を数カ所使用して差別化を図ったり
(半完成品に手を加えるイメージですね)
いろいろなパターンはあります。
■トラック業界で例えると
「日野自動車」が製造・開発する
「デュトロ」のOEM供給車として
「ダイナ」と「トヨエース」も製造して
「トヨタ自動車(OEM先)」で販売しているのです。
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【生みの親 (OEM元)】→日野自動車
【子 (製造車種)】→トヨエース・ダイナ・デュトロ
【養子としてトヨタに (OEM先)】
→トヨエース・ダイナ
=【養子親 (トヨタ自動車)】がOEM先
→販売店【トヨタ店】ダイナ
→販売店【トヨペット店】トヨエース
=【親 (日野自動車)】→ デュトロ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
的な関係になっています。
ですので、
デュトロ・ダイナ・トヨエース
この3台はあまり機能の差はありません。
ひとつの企業に2つの名前だけ違う
同じの車種が販売されているので
「トヨエース」と「ダイナ」は
「双子車」と言われています。
OEM のメリット・デメリット
OEM先のメリット
●自社開発にかかる
膨大な資金と時間の削減
自社で開発することは
製造する上での設備投資や
人員の増員、場所の確保など
数百万、数千万、数億といったの資金や
数年単位の時間を費すこともあり、
その結果が必ずしも報われるとは限らないので
そういったリスクが無くて済みます。
●商品の種類が増やせる
今まで自社にない商品を提供できる場合は
市場の新規参入ができたり、
似た商品のOEM供給を受けても
販路の拡大を見込める。
OEM先のデメリット
●開発能力が育たない
自社で開発をしないので、
開発力が育たなければ、自社商品で
勝負をする際に同業他社に対抗できなくなる
可能性があります。
●生産能力の低下
生産をもOEM元に任せる状態なので
いざ自社で物を販売するとなった際に
需要に供給が追いつかない可能性もあるので
そうなると会社の信用問題に関わります。
新品価格 |
OEM元のメリット
●安定的な受注の確保
OEM先のブランド力や販売力を利用して
販売量を増やせるので安定的な
受注が見込める確率があがります。
また、自社が販売していない地域にも
OEM先の店舗や販路があれば
手が回らない地域の受注分が増加する。
●製造コストの抑制
施設稼働率が上がるのため、
製造にかかるコストを抑えられます。
例えば「2つの製造工程がある商品」を
「10個」作成する場合、
→2人の人間が2つの工程を行い
5個ずつ完成させる場合
→2人の人間が1つの製造工程を
1つずつ行って10個完成させる場合
2つの方法では
専門的に作業を行う後者の方が
短時間で10個早く完成させられるので
作業効率が上がると予想できます。
=限られた時間で完成させる製品数が上がる
ということなので製造コストは抑えられます。
●生産量を調整できる
世間の需要に応じて生産量を調整できるので
(生産を自社でしていないので)
余分在庫のリスクが減らせる。
OEM元のデメリット
●技術の流出リスクがある
OEM先に技術指導が必要な場合もあるので
設計などの情報が流出すれば
類似品を開発され脅威になる可能性もある。
●生産量がOEM先に左右される
生産してしまっている分はOEM先の
販売力に頼ってしまうので
OEM先の都合で販売量が左右され
余分在庫のリスクがある。
●価格支配権を失う可能性
低価格要請によっては
OEM製品との価格のバランスが取れなくなり
標準価格を下げられて利率が少なくなることに
つながっていく恐れがあります。
双方のメリット
●ユーザーの欲しいタイミングで
販売する機会を逃しにくい
極端な例ですが、
ユーザーが「今この製品が欲しい」という
タイミングがあったとして、
1週間後には
「必要なくなったから買わなくて良いや」と
販売する機会を逃す可能性があります。
OEM関係になった場合は
基本的には販売経路が増えるので、
それが多ければ多いほど
「購入する見込みがあるお客様」への
販売機会を逃しにくくなります!
現在はOEMによる形ではあるものの
共同開発という状態で
良い関係性を気付く企業もありますので
積極的に行っても良いのではないかなと思います。
以上、
ご参考になれば幸いです。